【全校集会、歌が下手でもソロを歌える度胸】本当のアクティブラーニングは小学生でも毎週プレゼン

International School

長女は毎日、学校からの宿題が何かしらあり、4年生になってから平日の習い事を全て辞めました。オンラインでできる中国語は無理のない範囲でやっているけれど、実際に現場へ行ってやっていたスポーツ系は今はできずにいます。なぜか、娘たちの学校はPE(体育)の授業も週1しかなく、運動量が少ないのが気になるところではあるけれど、週末の土曜日にGymnasticsに行って運動して、日曜日はパパと公園やプール等に行っています。

毎週のプレゼンと全校集会でも年数回のプレゼン

長女は学校へ自分のPCを持参していて、学校でいつも何かしらのプロジェクトが進んでいて、毎日のようにスライドを作ったりしています。でも長女はこのスライドを作るのが大好きなようで、苦になっていなそうだし、毎回かわいいスライドを作って楽しんでいる様子。日本の小学校で、どれくらいプレゼンの機会があるのか分からないけれど、長女に関してはもう本当に毎週最低1回は何かしらの授業でプレゼンやクラスで前に出て何かを話すということをやっています。

週1回全校集会があり、その時も順番に担当クラスが指定され、全校生徒の前でプレゼンをするという時間があります。これは1年生からあって、次女も先日、劇とダンスを披露。マイクを使ってセリフを話すんです。我が娘たちは、あまり人前に出るのが好きではないタイプで、インター生でありながらバースデーは家族だけで祝ってくれればいい、学校で自分のためのバースデーソングを歌ってもらうのは恥ずかしいというタイプです。

そんな次女。特別得意な訳でもないのに、先日のパフォーマンスではみんなで歌の披露をした時、なんと歌い出しのソロパートを担当。これには本当にびっくりしました。いつもみんなに見られるのはずかしいとか言ってるのに!
とにかく、人前にでて何かを披露するという機会が多い。特に長女は毎週何かを人前で披露しています。今は日本でもそういう機会が大事にされているのかもしれませんが。

自然と育ち始める自己肯定感

私はそばで見ていて思うのです。こうして自己肯定感の一部が育っていくんだと。人前に出れば自己肯定感が育つ訳ではないと思うのですが、一部にはこの影響が非常に大きいと思っています。こんなに日常的に人前に出て、そしてポジティブな言葉をかけてもらったら、人前に出るということにも少しずつ慣れることができるし、自分が周りの人たちと協力して、一つの何かを完成させるということに関しても自然と長けていく。失敗しても、すぐに次の機会がやってくるのでトライアンドエラーを日常的に繰り返して学んでいくことができるのです。この「頻度の多さ」が肝なんじゃないかと。

じゃあ、その内容ってどんなことをやってるの?というと、SDGsだったりとか今まさに世界で注目されているトピックはもちろん扱っています。でも、大事なのはそこではないんじゃないかと。プレゼンの内容自体はそんなにすごいことをやっている訳ではないんです。ある国のある地域の学校生活について調べたり(Google使いまくり)、平和とは何かについて調べたり(またもGoogleありき)。

相手のことも自分のことも尊重する

昨日突然「プロジェクトをチャットで話しながら作るのは効率が悪いからZoomでやってもいい?」と聞いてきて。オンライン授業をずっとやってきたので、Zoomに関しては私よりよほど子供たちの方が使いこなしています。我が家は基本は18時半、遅くとも19時には寝たいので、それまでに終えられるならいいよと言うと、夕食後、Zoomをし始めました。

私が聞いている限りでは、ほぼ楽しくお喋りしている時間に見えたけど、本人たちはすごく進んだと喜んでいて。私はそのプロジェクトの内容よりも、長女の話す英語がまた成長してることにびっくりしつつ聞いていました。そして、今日。昨日とは別で進行してるプロジェクトが明日締め切りなので、それについても今日Zoomで進めたいと。了承し、夕飯を済ませて、長女が準備すると、誰もチャットにすらこないとのこと。

よくよくどんなプロジェクトなのか、誰がチームメンバーで、どこまでできているのかを聞いてみると、なんと一人の子の担当スライド以外は完成しているのです。で、長女の担当ももちろん終わっている。でも、これはチームプロジェクトなのでこの子がきちんと仕上げないとチーム全体の評価が下がります。長女はまだ完成できてない子をサポートするために待っているとのこと!で、肝心のその子がこない。結局、長女のタイムリミットの19時まであと10分しかないところでその子が来て、Zoomを繋ぐことに。授業をきちんと聞いていないようで、何をやればいいのか全然わかっていない様子。

大人の私ですらイライラを隠せるかどうか不安なシチュエーションで、長女がどうするのか見ていると。淡々と的確に、何をやったらいいのか、何についてどんなことを書いたらいいのかを説明。真剣なトーンではあるものの、イライラしている感じはありません。相手が分かっていなそうな部分は、きちんと理解できてるか確認を入れながら。
さらに長女は、この子が明日までにきちんとスライドが作れなかった場合に備えて、代わりにスライドを見えないところに用意までしていました。長女は自分の成績評価が下がってほしくないからそこまでするのですが、まず長女がそんなに評価を気にするようになっていたことに驚きました。3年生の時は全然気にしないタイプで、むしろもっと気にしてくれよと思っていたほどだったのです。
でも一番驚いたのは、やはりきちんと準備をしていないクラスメイトに対して嫌悪感を見せなかったことでした。

これ。日頃から、他人をリスペクトすることを物凄く意識して生活してるからなんじゃないかと思うのです。インターに行っていると、さまざまな国籍が集まるので、人種も違うし宗教も違います。何気ない言葉が誰かにとっては失礼な言葉になるし、なんでもない行動が失礼な行動になることもあります。なのでお互いにお互いを尊重するということはかなり重要視されていると感じます。長女のベストフレンドもイスラム教徒なので、学校にいても昼休みにはお祈りをするし、プレイデートもお祈りの時間を避けます。豚肉は食べないので、我が家で一緒にランチをした時も、お母さんに確認をしたら「豚肉は使わないでほしい」とお願いされました。ものを渡すときも左手を使わないなど、日本人の娘からすると知らないルールが色々あるのです。そしてそれは、宗教が変わればルールが変わり、国が変われば文化が変わる。

自分にとっての当たり前を他人に押し付けてはいけないということがごく自然にできるようになっていたのです。なので、長女からすると明日発表のプレゼンができていないなんてあり得ないけれど、この子にとってはそうではないと一生懸命自分を納得させていたのかなと思います。

翌日、学校から戻った長女に聞いてみると、案の定、その子は自分のパートを練習していなくてあまりいい仕上がりではなかったとのこと。でもそれ以上に、全体の構成に問題があったので、次回のプロジェクトでは全体構成をもっとスムーズにしたいと言っていて、自分で自然に今回の反省と次回への課題を分析していたのです。

アクティブラーニングとは

これが本当にアクティブラーニングなのかなと。この授業で学ぶべき一番大切なことは、授業の内容ではなく、人前に立って堂々と話せるようになること。チームメイトと協力して作品を作り上げること。どうやったらいろんなタイプのクラスメイトがいる中で、より精度の高い作品を作ることができるかを試行錯誤しながら学ぶこと。

これは是非とも日本の小学校でも積極的に取り入れられたらいいんじゃないかなと思うし、小学校4年生(日本なら3年生)でも十分スライド編集はできるんです。一人1台PCを学校へ毎日持参しています。
PCがなくても、プレゼンはできるし、とにかく人前にでて話す機会を作ることが本当に大事。

私の子供時代、朝会といえば校長先生の話を聞く時間ってわりとメインでした。でも娘たちの学校では校長は最後に数十秒話すだけです。いきなり生徒たちのプレゼンやパフォーマンスから始まる。ダンスタイムになると、1年生も高学年もみんな、体を揺らしてダンスとリズムを楽しむ。黙って静かに聞くことよりも、みんなで一緒に盛り上がる。全校集会の場を、聞く時間から話す時間へ変えてあげたらきっともっといいことが色々起こるんじゃないかと思った出来事でした。


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