日本語は習得が非常に難しい言語として有名。ひらがな、カタカナ、漢字という3種類の文字があることはもちろん、単語と単語の間にスペースがなく、全ての単語がつなげられて書かれるという点もよく挙げられる難しい所。なので、あまり小さいうちに英語を本格的に学ばせてしまうと日本語が中途半端になるとよく言われています。
実際に、長女4歳、次女0歳から海外に住んでいる私たちの実例をもとにその辺を噛み砕いてみます。というのも、この問題、きっと海外在住日本人が真剣に悩むポイントになんです。数年の海外駐在で日本に帰ることが確定してる場合には方向性を決めやすく、進学のタイミングで受験等を見据えている場合は受験校によって日本人学校かインターかを選びやすいです。受験が関係ないし、せっかくの海外生活だからこれを機に英語を身につけてほしいとインターに入れる場合も、3年くらいであれば日本語の勉強を必死にやらなくても日本に戻ってから取り戻せるでしょう。インターも入る年齢にもよるけれど、小学校以上だと3年でネイティブレベルになるのは難しいかもしれません。英語圏の現地校で日本人が全然いないとかってなると可能かもしれませんが。
毎朝30分の日本語学習を徹底習慣化
平日朝のスケジュール
5:20 起床、洗面、着替え
5:30 朝食
6:00 歯磨き
6:10〜40 日本語学習
6:45 登校
登校時間が早いので朝起きるのもすごく早いけれど、その分寝るのも早いので問題なしです。9歳と5歳の姉妹、基本は18時半に寝室に入って19時までには眠りに入るスタイル。睡眠時間は約10時間。寝るのが早いとびっくりされるけど、適正かと。長女は宿題が多くて少し遅くなることもあるけれど、次女は子供部屋のドアを開けておいていいから先に寝るように言うと、長女が19時頃寝室に行くともう眠っています。
この朝の30分学習は長女が5歳くらいの頃から毎朝欠かさずに行っていて、長女は日本の教育は、4歳の頃の幼稚園年少を半年やっただけ。次女は全く日本の教育を受けていません。2歳半から海外インター。コロナ禍、1年以上日本へ長期一時帰国をしていたけれど、その間もずっとこちらのインターのオンライン授業を受けていて日本の小学校へは通っていません。
ただひたすら、毎朝30分だけ、日本語のドリルを使って、主に国語と算数の勉強からスタート。今は次女もインターでは1年生になっているので、日本語での「せいかつ」も教科書を読んでドリルをやっています。もちろんつまづく問題もあるけれど、そこはじっくり説明してあげれば理解できている様子で、今日本では年長ですが、1年生の国語の文章読解ドリルも自分で頑張って解いているし漢字も頑張って覚えています。九九は7の段まで覚えました。2歳半からインターなので、英語の文章読解ドリルもやっているけれど間違えながらも全く解けない訳ではなく、的を得た間違えをしているというかんじ。
長女は、国語の読解、文法等は普通のドリルなら問題なく解けています。理解させるのが難しい俳句や短歌はざっと教えてとりあえず問題を解いて終わり。漢字やことわざにはやはり苦労しています。こちらでの生活では本を読む以外に漢字を見ることがほとんどなく。。。長女は中国語が好きで、中国語もやっているのでそれで多少マシ?という程度。でも頑張って漢字を使ってお手紙を書いてくれたりします。算数も問題なし。理科と社会に関しては教科書を読ませて、その単元に合ったドリルをやっていて、まぁ問題ないかと。理科はインターでの授業の方がずっと進んでいるので、そんなに難しくは感じていない様子。
土曜日と長期休みは1時間(英語含)
我が家の場合は、英語圏の現地校とは違って、英語ネイティブでない生徒が多く通うインターなので学校に任せておけば英語は問題ないということはありません。なので、土曜日や夏休みなどの長期休みは1時間の勉強時間があります。この時間は英語のワークブックも必須。家庭内は基本日本語で会話するようにしてるので英語にも気を使います。割合は日本語の方を多めに。
そして、日曜日はお休み。完全にフリーな日。習い事も日曜日には入れず、この日は家族みんなでのんびりと過ごす日。この何もやらなくていい日を設定してあげるのも非常に大切で、子供たちは日曜日をとても楽しみにしている様子。
もちろん、旅行へ行ったり、お友達と遊ぶ予定があったりして長期休みは全く勉強しないまま1日が終わることもあります。でも、なるべく出かける前にワークをやってから出かけるように心がける。1時間が無理でも30分でもいいからやってから行く。夕方はみんな疲れてイライラしやすいので我が家では勉強は朝にやることが多いです。
車内には常に本を置いておく
小学生になって、自分で本を読めるようになってからは車にはいつも本を置いていて、車移動の際には本を読む習慣もできました。我が家の娘たちは、車酔いしないタイプなのでできることではありますが、車酔いしないなら車に本を置いておくのはおすすめ。ここでは、日本語の本でも英語の本でもその時子供達が読みたいものを自由に読んでいます。子供ってちょっとしたきっかけで英語の本になったり日本語の本になったり、コロコロ変わるので私が促さなくてもある程度の期間で入れ替わるかんじです。
で、これに併せて効果的なのは、親も日常的に本を読むこと。読書が生活の一部にあることを当たり前に感じさせることも大切かと。私自身が読書が好きなのでいつもバッグには本が入っているし、家でもリビングやベッドルームなどちょっと本が読めそうな場所には必ず本が置いてあって、少しずついろんな本を読み進めています。
そして、親子で今自分が読んでいる本について話したり。私は英語力がまだまだ足りないので、長女と同じ児童書がちょうど良く、長女が面白かった本をおすすめしてくれるので、それを読んでいます。そうすると、その本の話もできるし子供達も本を読むことをすごく楽しむようになりました。ちなみに今は、私は「チャーリーとチョコレート工場」を読んでいます。読みやすいけど知らない単語も色々出てきてすごく勉強にもなります。Roald Dahlシリーズは英語圏では定番の児童書。面白くておすすめ。
算数は親子とも一番楽な教科
国語やEnglishって、もう本当に自分の母国語でないと教えられることに限界が来るのがすごく早いです。私はもう長女(4年生)のEnglishは教えてはあげられません。宿題が大変な時や、課題が出ているときは気づいたことは言ってるけど、基本こちらも確信がないので強くは言わず、長女に「ここって過去形にならないとおかしくないっけ?」とか聞くようにしています。
で、国語は私はいいけれど長女にとっては漢字もあるし、知らない単語も出てくるし、結構難しい教科だと感じやすい。そしてやっぱり本当に日本人としてナチュラルな文章を読んで書いて話すことはそれなりにハードです。
そこにきて算数。算数というのは言語が変わるだけで、やることが全く一緒。その上、サイエンスのように親にとって覚えるのが途方に暮れるような聞きなれない単語もそんなに出てこない。算数用語は覚える必要があるけれど、そんなに数が多くないし、小学生の内容であれば、日本語と同じでパターン化している問題も多いので分かりやすい。
実は、長女は算数がずっと苦手だったんです。でも、算数を得意にしてあげることって、将来文系か理数系かどちらに進むかを考えるときに、数学ができないと文系しか選択肢がないっていう子、多いですよね。数学は少しずつ積み重ねていって、どんどん深く掘っていく教科かなと思うので基礎が非常に大事。日本人として海外に住むことで、日本語も英語も、自分はパーフェクトではないと子供ながらに考えているし、傷ついている瞬間も少なからずあるのです。学校では、自分よりも英語が上手な子がたくさんいるし、日本から引っ越してきて、少し前まで日本の学校に通っていたクラスメイトの話す日本語の単語を知らないなんてことは日常茶飯事。
大人の私から見れば、英語も日本語もそのレベルまで持っていけてるだけで凄すぎるのですが、本人たちはそうは思っていません。もちろん、長女はもう「両方話せてラッキーって思ってる」と言ってくれますが。
なので、得意なことを作ってあげて、自分に自信を持てる要素を増やしてあげるといいです。日本とは進み方が違うので、学校の単元に合わせて日本のドリルをやっているという感じです。学年末になったら、その時の日本での学年でやるべき内容に触れていない(ほぼないけれど)単元があれば、そこは私が教えて問題を解きます。注意すべきは、日本では5年生でやる内容が4年生や3年生でも出てくることがあるので、日本語のドリルは6年生まで一気に買ってしまってもいいかもしれません。
そして、算数だけは中学受験も視野に入れているハイレベルな問題の問題集もやっています。文章問題は日本語表現の解読の練習にもなるので日本語力の向上にも役立ちます。
このように言語が変わっても、内容は変わらないという教科もあるし、小学校の場合、道徳のようなものを学ぶ時間というのも結構長いのかなという印象です。そういうものは、インターでももちろんあるし人としてやっていいことやってはいけないことというのは、多少文化の違いはあっても、基本的には同じです。なので、そういうことは家で普通に教えていれば、学校でも学んでくるので、あえてプラスアルファで何かする必要はないです。そうなると、英語も日本語もってやってしまうと、子どもたちは2倍勉強しないといけないとなりそうですが、実際はそんなことはありません。
そして、耳は早ければ早いほど育ちます。
0歳から海外育ちの次女は、長女よりも発音がいいです。長女も発音はいいんです。でも、よりネイティブっぽい絶妙な音を表現してるのは次女。だから私は、早期バイリンガル教育っていいことがたくさんあるんじゃないかと思っています。
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