現地校って実際どう?ママ目線で見た“オーストラリアのリアル”

教育制度&学校生活

英語圏の現地校に小学生留学するってどんなかんじ?と思いますよね。

我が家は、現地校に転校時点ですでに英語はそんなに心配しなくても大丈夫というレベルでした。
その点では、参考になる部分とならない部分があるかと思います。

でも、私は英語が苦手ですのでw、英語ができないで入ったとしたらどうだろうという視点も併せて伝えていけたらいいなと思っています。

海外子育て最大の壁は“学校”

うちは結果的に、公立の現地校を選びました。

もちろん、「現地の空気にどっぷり浸かる方が、言葉もカルチャーも吸収できるはず」っていう考えはありました。

でも、もうひとつ、うちにとってすごく大きかったのは――

「リアルな社会を知ってほしい」という気持ちです。

うちはずっとインターに通ってたんですけど、

特に最後にいた学校は、もはや“富豪の館”状態(笑)。

誕生日会は自宅開催なのですが、自宅にステージやらクレーンゲームやらプロのカメラマンによるフォトブースやら、、、、、。

世の中にはこういう人たちもいるんだという学びとしては良かったと思っています。

うちはというと、一部は会社補助があったけど、学費はかなり自腹。

「学費に全力投球、生活は庶民」みたいな家庭でしたw。

でも、学校ではそんな背景関係なく、

「あたり前に超お金持ちの子たちと交わる環境」になるんですよね。

別に子どもが勘違いしたとか、価値観がズレたとか、そういうことはなかったんですが、

ふと、「これって“リアルな社会”じゃないかも」って思ったんです。

もっと幅のある人間関係。

いろんな家庭環境の子と出会って、肌で感じてほしかったんです。

だから、公立の現地校っていう選択は、

「“人として育つ経験”を求めた選択」でした。

もちろん、私立も調べましたし、学費も検討しましたけど、

うちは最初から「公立でいこう」って決めていたぶん、逆にスムーズでした。

「現地校」ってそもそも何?

オーストラリアでいう「現地校」とは、現地の子どもたちが通う学校のこと。

費用はビザの種類によるので、ご自身が取得予定のビザで費用がどうなるかも要確認です。

うちは子どもたちが学生ビザを取っていますが、親が学生ビザを取って子どもを帯同させるという方法もあります。

この場合は確か、こどもの学費は公立校であれば無料だったような。

ちなみにWAの場合はプライマリー(小学校)で約150万近くかかります。

留学生は、誰でもどの学校にも入れるわけではありません。

  • 教育省(Education Department)が指定した学校だけに入学可能
  • 子どものビザ(学生ビザ)と親のビザ(ガーディアンビザ)がセットで審査される

つまり、「近所の学校にぽんっと入れる」という日本的感覚とはちょっと違います。

入学前には、申請や書類のやり取りが必要です。

ただ、それを先にやらないとビザを申請できないので、やり忘れてしまうということは起こりません。

我が家が学校を決めるまでのプロセスはこちらの記事です👇️

入学前の不安は?

現地校に入れるって決めた後も、不安は次から次へと出てくると思います。

  • 英語、全然話せないけど大丈夫?
  • 先生と親のやり取り、母である自分がちゃんと聞き取れる?
  • 日本語力が落ちてしまったら…?
  • 授業の進み方、宿題のレベル、ついていける?

そしてなにより、「子どもが“仲間はずれ”にされないだろうか?」という心配。

これはどんなに前向きに考えても、親としてずっと心の奥にあるものでした。

“どこにいても、我が子にはのびのび育ってほしい”――

その願いと、“知らない世界に飛び込む怖さ”の狭間で揺れながらのチャレンジですよね。

その気持ちを、どこで納得させたかというと、私はいつも思っています。

「子どもたちが合わなかったらやめればいい」と。

子どもたちにもいつも言っています。

「世界には学校なんて数え切れないくらいあるよ。
あなたが学校に行くのが辛くて苦しくてどうしようもなくなったら、学校なんて変えればいい。
ある程度は、自分の居場所を作るために頑張ることも大事。
でも、それがうまくいかないのに長い時間を使うくらいなら学校を変えたらいいんだよ。」と。

私はオーストラリアでの生活が、家族4人の誰かにとって合わなければ、即撤収と思っていました。

夫がいる国に帰ったらいい。
それで家族4人一緒に暮らしたら良い。

現実には、一番メンタルがあぶなかったのは私ですがwあはは。

でも、いいんですよ。人間なんだから。

大人も子どもも想像しきれなかったことが起こるものです。

私はそれよりも、行動を起こしたということに価値があると信じています。

英語できなくても大丈夫?実際の現場はこうだった!

「英語ができないけど、現地校に子どもを入れても大丈夫なのか?」

これは、多くの海外赴任や教育移住予定のママ・パパにとって、最大の心配ポイントだと思います。

結論から言うと…

できる限りの英語準備は、やっておいた方が絶対にいい!!

これだけは声を大にして伝えたいです。

子どもたちのリアルなスタート

うちの次女(当時Year 2)は、最初の1週間「バディ」がついてくれました。

トイレ移動もランチも全部一緒に行動してくれる役目を先生から頼まれたクラスメイトが面倒を見てくれました。

この制度、ありがたかったです…!

でもその後は、基本的に“自分で”友達を見つけ、“自分で”話しかけて、“自分で”関係を築いていくスタイルです。

向こうの文化として、「無理に誰かに関わらない」「相手のペースを尊重する」っていう考えが根っこにあるみたいです。

お母さんたちに関しては、本当に誰も話しかけてこないです。

子どもたちはもちろん話しかけてくれる子もいると言っていましたが、グイグイ来る子が多いという印象は特にありません。

だから、“話しかけてもらうのを待つ”タイプの子には、最初はちょっとハードル高いです。

話しかけてこないからといって、感じが悪いわけではないです。

実際に、話したらみなさんいい人ですし、分からないことを聞けば優しく教えてくれます。

逆に言うと、ママ友がいなくても全く浮くことはありません。

なぜなら、一人でいるお母さんやお父さんも決して珍しくないからです。

ここは日本の公立校もそうでしょうか。仲良しママグループでワイワイやるのが好きな人は集まっておしゃべりするし、そういうのが苦手な人は一人行動をする。

そのへんの親の感じは似ているかもしれません。

私が思うYear 2くらい以下の年齢の子が覚えてほしいキラーワードは

“Can I join?” ですね。

周りの子が遊んでるところに「入れて?」って言う時に使うのです。

で、これがまた試練なのかもしれないのですが、オージーってその時の気分で“No”って普通に言うんですよw

でも、それは、その瞬間はNoの気分だというだけで、嫌われているわけではないのです。

違う子のところへ行ってまた Can I join?って言ってたら、普通に入れてくれる子がたくさんいます。そこで遊びのルールを説明されて、それが一つも聞き取れないという現実は待っているかもしれないのですが。。

とか、考えると、やっぱり英語はできるかぎり一生懸命やっていくのがベストだと思います。

長女の場合(Year 5)

長女が編入したのはYear 5(日本でいう小学5年生)でした。

この学年になると、子ども同士の関係性や言語の使い方にも、低学年とは明らかな違いが出てきます。

現地校側から特別なサポート(バディ制度など)は特になく、いきなりクラスに入るというスタートでした。

クラスの一部の女の子たちが声をかけてくれ、ランチを一緒に食べようと誘ってくれるような場面もありました。

ただ、本人の感想としては、

「まわりの子の英語がとても速くて、何を言っているのか分からないことが多かった」

ということでした。

インターナショナルスクールと現地校では、英語の言い回しやテンポに大きな違いがあり、

日常会話の中で使われるスラングやジョークに戸惑う場面が多かったようです。

特に女子同士の会話はテンポも速く、聞き取れたとしても会話に入るタイミングをつかむのが難しかったとのことです。

また、転校初日には、ランチの時間に声をかけてくれた子を見失ってしまい、ひとりで食事をすることになったという経験もありました。

娘たちの学校では、昼食は基本的に全員が屋外の屋根付きスペースで取ります。

オーストラリアは紫外線がとても強いので、外に出る際は帽子着用が義務付けられている学校も多いです。

娘たちの学校もそのルールのため、顔の見分けがつきにくいという事情も重なりました。

本人にとっては、「誰が誰だったのか分からなかった」「周囲がみんな白人で見分けがつかなかった」と。

初日の出来事としては印象深く、

それが少なからず「馴染めるかどうか」という不安につながったのは否めません。

特に長女には気を遣ったように思います。

「友達できた?」とは聞かないようにしていました。私からそう聞かれることがプレッシャーになってほしくなかったですね。

次女は、自分からどんどん話しかけることができるタイプですが、長女は話しかけてくれる人を待つタイプです。

そこに、言語の自信のなさがのしかかると、それは辛いですよね。

小学校高学年であれば、転校前提でIECからのスタートのほうがいいかもしれません

これ、留学や赴任期間にもよってかわってくると思うし、果たして英語をどのレベルまで持っていきたいかということでも変わってくるのですが。

長期間前提だと仮定し、英語はできるだけネイティブレベルになってほしいと思う場合。

いきなり日本人ゼロ、第二言語として英語を話してる人が極少ない学校へ入るのは相当な負担だと思います。

これがインターと現地校の違うところですよね。

インターだと、英語が得意じゃない子が必ずクラスに何人かいると思います。

でも現地校だと、クラス全員ネイティブレベルということが普通になります。

高学年になったら、授業内容も英語ゼロでは到底理解できません。

自分の意思で、いきなりネイティブの中に入りたい!という鋼のメンタルを持っている子ならいいと思いますが、そうでない場合がほとんどだと思います。

ステップを踏んで、すこしずつレベルアップしたらいいと思います。

簡単には英語を話せるようにはなりません。

でも、努力すれば必ず話せるようになります。

WAにはIECという英語が十分でない子に英語を教えてくれるクラスが併設されている小学校がいくつかあります。

まずはそこへ通って、英会話の先生をつけて、家でも英語を勉強して。

とにかく基本的なことを学ぶといいと思います。

IECも入学希望者が多いらしく、希望しても入れない人もいるみたいなので事前にメール等で確認したほうがいいかもしれません。

そして、IEC希望者が多いと、まだメインストリーム(通常クラス)までは難しい子もメインストリームに押し出されてしまうという現実もあるようです。

ただ、そうなるとメインストリームには様々なレベルの英語を話す子たちがいることになるので、段階としては悪くないと思います。

そして、最終的には、IEC併設校から転校して、ネイティブばっかりが通うような学校へ行くというのが英語面だけで考えたらいいと思います。

すごく大変な道のりではありますが、学ぶことは英語以外にも本当にたくさんあるはずです。

現地校でなく、インターでも高学年からっていうのはとても苦労している子が多いです👇️

もし英語がゼロだったらどうなっていたか?

長女の場合は、ある程度の英語力があったにも関わらず、「聞き取れても、会話に入れない」「会話の流れについていけない」といった壁にぶつかりました。

もしこれが、英語がほとんど話せない状態だったら――

きっと精神的な負担はさらに大きかったと思います。

なぜなら、オーストラリアの学校では、子どもたちも先生も基本的にはとても優しく、親切です。

ですが、「向こうから積極的に助けてくれる」という文化ではありません。

むしろ、“相手のペースや空間を尊重する”という価値観が強いです。

つまり、自分から「わからない」「助けてほしい」と発信する力がないと、

そのまま孤立してしまう可能性があるのです。

また、授業中に先生の話す内容も、Year 5ともなるとスピードも語彙も一気に上がります。

わたし自身が英語を苦手としていることもあり、娘が

「先生が使う単語も難しくて、聞いたことない言葉もあるよ。」と言ってきたとき、

ああ、これは“想像以上に大変な環境”かもしれないと実感しました。

先生たちってどんな感じ?授業・宿題はどんなレベル?

まず、「先生は叱らない」っていうイメージを持っている人もいるかもしれません。

でも実際は――学校では結構ビシッと叱ってます

もちろん、オーストラリア全体として「子どもを尊重する文化」があるのは間違いないと思います。

家庭では、あまり怒らずに子どもと対話するようなスタイルが根づいている印象です。

でも、学校は別

やっぱり先生一人で何十人もの子どもを見なきゃいけないので、授業中はけっこう厳しく注意したり、叱ったりしています。

ただ、うちの娘たちいわく、「先生は怒ってるんだけど、生徒たちはあんまり響いてない感じがするよ」とのことです。

褒めるのは本当に上手で、気持ちよくやる気にさせてくれるんだけど、

叱られても「効いてるのかな?」って感じは少しあるかもしれませんね。

授業のスタイルは?

授業は、いわゆる「暗記型」ではなく、体験型やディスカッション型が多いです。

発表(Show & Tell)やグループワークもけっこう多くて、自分の考えを話す力が問われる印象。

でもその分、説明が速くて、しかも英語っていうのがハードルになることも。

次女も最初は「先生の言ってる単語が難しくて、意味が分からない時がある」って言っていて、

「分かったふりしてる」とか言ってて笑いました。

分からない言葉は先生に聞いていいんだよと伝えると、

それ以降は、分からない単語はちゃんと先生に聞くようなりました。

先生もきちんと説明してくれるようで、助かってます。

でも中には「そんな単語も分からないの?」って言ってくる子がいるのも事実で、

オーストラリアにも“意地悪な子”は普通にいます。

宿題はどんな感じ?

めっちゃ少ないです。てか、ほぼない。

次女(Year2)は リーディングログ(読書記録)のみで、それ以外の宿題は一切出ません。

今まで一度も、プリント系の宿題を持ち帰ってきたことがないです。

長女(Year5)は週1回ぐらい、プリント系の宿題が出ることがあります。

で、ここがちょっとびっくりなんですが、

宿題、ちゃんとやって提出する子は少数派です。

こういうのは、周りに流されないように気をつけなと伝えます。

やはり文化が全然違うので親の私も、周りの家庭の普通に戸惑うことがあります。

娘たちには「あの子がこうしてたから」と考えるのはやめなさいといつも言います。

自分がどう思うか。何が正しくて何が間違っていると思うか。

やらなくても咎められないけれど、自分の意思で行動できるかどうかが問われる環境だなと思います。

さいごに

オーストラリアの現地校って、“自由でゆるい”って思われがちだけど、

実際は「自主性」と「セルフマネジメント」が超求められる世界のような気がします。

叱られても響かない子どもたちと、ほぼゼロの宿題の中で、

自分で考え、自分で動く子になれるか——親子で試されてるなぁと日々感じてます。

noteでは、英語教育や教育移住等の無料相談も受付中です。お気軽にどうぞ。

Ella|note
海外歴8年|日本語×英語で揺れる親子の記録|教育移住・言語教育・母の葛藤|noteは“感情”を、ブログは“実用”を発信中▶︎

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