オーストラリア現地校、どう選んだ?「公立一択」だった我が家の場合

教育制度&学校生活

オーストラリアに親子で移住して、まず最初にぶち当たる壁が「学校、どうする?」問題。

インターも私立も検討…してません!うちは最初から“公立一択”でした。

そのプロセスとリアルを正直に綴ります。

はじめに:非英語圏インターから、英語圏現地校へ——教育方針を変えたきっかけた日

我が家は、アジア圏にあるインターナショナルスクールに長く通っていました。

子どもたちは英語で生活し、「英語ペラペラ」と言われるくらいには育ってきました。

でも、長女が小学校高学年に差し掛かったころ。

「このままでは、本当の意味で“ネイティブの壁”は越えられないかもしれない」と感じる出来事がありました。

そこで私たちは、思い切って英語圏の現地校に子どもたちを通わせるという選択をしました。

この記事では、そんな我が家が

オーストラリアの現地校をどう選んだか?何に悩み、何を重視したのか?

――その全プロセスを、リアルにお届けします。

第1章:ビザの条件で学校は限られる!最初にやった“リストづくり”

オーストラリアで子どもたちを学校に通わせるには、まず大前提として「どの学校が留学生を受け入れているか」を知る必要がありました。
実はこれ、意外と知られていない落とし穴です。

うちの場合、子どもたちは学生ビザ(Subclass 500)、私はその保護者ビザ(ガーディアンビザ/Subclass 590)で滞在しています。このビザの組み合わせでは、たとえ公立校であっても、どこでも通えるわけではないのです。

オーストラリアの各州には、留学生の受け入れを許可された公立校のリストが存在します。
たとえば西オーストラリア州なら、WA教育省の公式サイトに一覧が出ています。

Home - International Education - Department of Education
Western Australian Government Schools deliver high-quality education programs to international students on a student vis...

私自身、最初はこの仕組みを知らずに、普通にGoogleで良さそうな学校を探して、片っ端から問い合わせていました。
でも返ってきたのは、「留学生の受け入れはしていません」という回答ばかり。

つまり、“ビザ上、選べる学校は限られている”という現実にまず気づくところからのスタートだったんです。

最初にやったのは、「指定校リスト」のマッピング

やるべきことが分かったら、次は作業です。

私は、指定校リストに載っている学校をすべてGoogleマップ上でマークしました。

・どのエリアに学校が集中しているか

・通学距離はどうか

・住環境や治安はどうか

こうした情報を“学校目線”ではなく“生活目線”で見ていく必要があるんですよね。

我が家は夫が一緒に住まず、母子3人での生活が基本となる予定だったので特に治安面が大切でした。

あとは、途中から長女が中学へ行くことになり、プライマリーとセカンダリーで学校が姉妹で別々になります。

私が体調を崩した場合を考えると、プライマリーとセカンダリーの距離も大事ではないかと考えました。

ちなみに、「現地で家を借りてから学校を決める」わけにはいきません。

このビザでは、まず学校を決めて、その入学許可書を使ってビザを申請する必要があるんです。

だからこそ、「この学校に入れたい」だけじゃダメで、

“この学区に、実際に住める家があるのか”までセットで見ていく必要がありました。

第2章:人気学区はあえて外した。現実から逆算した“学校の選び方”

ビザで通える学校のリストをマッピングしたあとは、

いよいよ「どこに通わせるか?」の選定フェーズに入りました。

でもここからが本番。選ぶ上で、私たち家族にはいくつもの“制約”がありました。

選ぶ基準はこの5つ

1. 学校の学力レベル(NAPLANスコア)
各州で毎年行われている標準テストのスコアは、やっぱり参考にしました。
公立校でも学校によってばらつきがあります。

2. 治安とエリアの雰囲気
Googleマップで学校を調べながら、周辺エリアの治安情報・住民構成もリサーチ。
ファミリー層が多く住んでいる等は不動産検索サイトで見ることができます。

3. 通学距離と生活圏とのバランス
もともと運転が得意でない上、アジアに住んでいた約7年間全く運転していません。
オーストラリアは広いので、車は購入しようと思っていましたが通学は徒歩圏が第一希望。

4. 家賃と賃貸の出やすさ(需給バランス)
これはかなり大きなポイントでした。
人気の学区は、家賃が高いだけじゃなく、「そもそも家が出ない」んです。

私は実際に、不動産検索サイトを毎日チェックして、
その学区内に“予算内で借りられる家”があるか?を見ていました。

とくに便利だったのが、不動産検索サイト
Real estate https://www.realestate.com.au/ とDomain https://www.domain.com.au/
Domainは、学区(Local Intake Area)での絞り込みができるので、めっちゃ使えました。

5. 学区外からの受け入れスタンス
人気の学区は「そのエリアに住んでいること」が入学の絶対条件になります。
でもそれって、事前にビザを申請しなきゃいけない私たちにとっては超ハードルが高いんです。
家賃に週1500ドル以上出せるのであればわりとどこでも大丈夫ではないでしょうか。
月じゃないですよ?週1500ドルの予算です。

問題は、「学区内に家を借りる」より前に「学校の入学許可を取らないといけない」こと。

そのため、“学区外からの入学相談に応じてくれる学校”を優先して探すことにしました。

我が家のリアルな判断軸

いくら人気校でスコアが高くても、家が見つからなければ意味がない。

学区がよくても、その中に「今、住める家」がなければ、移住は成立しない。

このあたりの現実との折り合いを、何十回も地図とサイトを往復しながら検討しました。

私たちは、「最上の学校」を探すのではなく、

“今の自分たちの条件で、最良の選択肢”を見つけにいったんだと思います。

ひとつだけ妥協できなかったこと

せっかくオーストラリアに住むのだから、海の近くに住みたいというのは最後までこだわりました。

そもそも、学区外からの受け入れも対応してくれそうな学校に絞って学校を選ぼうと思っていました。

なので、通学圏内だと自分が思えれば多少離れててもいいわけです。
私の場合は運転が不安ではありましたが。

家賃が予算内であること
海の近くであること

究極の条件はここに落ち着いたように思います。

第3章:学区外からOK!私たちが“この学校”を選んだ理由

私たち家族が実際にオーストラリアへ移住したのは、2024年の6月末。

でも、それよりも少し前の2月、子どもたちのタームブレイクのタイミングで、家族で一度、住む予定のエリアを見に行こうということになりました。

私は過去にシドニーに少し住んだことがありましたが、夫にとっては今回が初めてのオーストラリア。

現地の雰囲気や、子どもたちがどんな反応をするのかも見たかったので、「住む前に一度見ておこう」と話し合って決めたんです。

公立小学校の学校見学受け入れはレア

せっかく行くなら、気になっていた学校も実際に見ておきたいと思い、

事前に10校以上にメールを送りました。

内容としてはこんな感じです:

  • 2024年2月に現地を訪れる予定であること
  • その期間中に、学校見学をさせてもらえるかどうか
  • 子どもが留学生として入学を検討していること
  • Local intake area(学区)外からの受け入れの可能性があるかどうか

このメールに対して、明確に「見学OKです」と返信をくれたのは、実は1校だけでした。

それでも数校からは「学校見学は対応できないけれど、学区外からの受け入れも相談次第で対応可能です。」と柔軟な姿勢を示してくれたのが救いでした。

一方で、人気の学校の中には「学区内に住んでいることが受け入れ条件です」とはっきり断言してくる学校もありました。

これはつまり、人気のある学校ほど、学区内在住じゃないと入学は難しいということです。

人気学区の「落とし穴」とは?

ここで一つ、現実的な壁が出てきます。

オーストラリアでは、人気学区=家賃が高い、そして賃貸物件が超少ないです。

留学ビザとガーディアンビザの仕組み上、「家を借りてから学校を決める」のではなく、「学校を決めてからビザ申請 → 家を探す」という順番になるため、

家が見つからない=学校始まってもエアビー生活(エアビーも高額)、という詰みルートも存在するんです。

そのため私たちは、

  • 「学区内に住んでいなくても相談に応じてくれる」学校のみを候補に。
  • 不動産サイトでその学区周辺に現実的な価格の賃貸物件が出ているかを常にチェック。

最後の決め手は「見学できた安心感」と、家族全体で感じた“雰囲気”

最終的にうちが決めた学校は、2024年2月の事前訪問のときに唯一、見学を受け入れてくれた学校でした。

もちろん、うちの子たちはインターナショナルスクールに通っていたので、海外の学校というものにある程度の馴染みはありました。でも、実際に現地で校舎の雰囲気を見たり、校長先生と話したりすることで得られる安心感は、やっぱり大きかったです。

その学校は、何かに特化してすごいわけでもなく、ごく普通の公立校です。

だけど、“ネガティブな空気をまったく感じなかった”というのがすごく印象に残っていて。

スタッフルームで話してくれた先生たちもみんなフレンドリーで、こちらの不安や質問にも丁寧に答えてくれました。

校長先生は、「この学校を第一希望に書かれた場合は、ちゃんと入学許可を出しますよ」とも言ってくれたんです。

当時はエージェントも使わず、全部自分で手続きしていた私にとって、その言葉と雰囲気は本当に心強かったです。

実は、最後まで迷った学校もあった

候補の一つには、小学校と中学校が徒歩10分圏内という場所もありました。

私がもし体調を崩した時などに、子どもたちがそれぞれ歩いて通える安心感は正直魅力でした。

しかも、その学校にはIEC(英語が不十分な子どもたちのための特別クラス)もあり、英語が完璧じゃない子たちも多くいると思ったんです。

もちろん、最初からメインストリームに入るだけの英語力はあると思いましたが、ネイティブと比べたら英語がまだ発展途上のうちの子たちにとって、環境として合っているのでは?と感じたのも本音です。

でも、夫と一緒にすべての候補エリアを車で回ったとき、

「やっぱり、こっちの学校(=見学できた学校)の周りの雰囲気の方が安心できる」と夫がポツリ。

たしかに、候補だったもう一つの学校のエリアは、比較してみると若干治安面で気になる点がありました。

決して、治安が悪いエリアではありません。比べると、なんとなくそう感じるといううまく言葉では表現できないものでした。

最後は、「未来の英語環境」で決めた

自分の体調不良時の送迎の心配は、Uberなどでカバーできる(ただ座っていればいいw)し、数日間だけならなんとでもなる。

本当に大事なのは、子どもたちがこれからどんな環境で言語を伸ばしていくかということ。

もし「英語が得意じゃない子が多い学校」に通ったら、居心地は良いかもしれない。

でも、それって子どもたちにとって“成長のチャンス”を狭めるかもしれないと思ったんです。

私たちが目指すのは、「英語を使って自然に学び、生活できるレベル」に近づけること。

だからこそ、あえてチャレンジできる環境を選ぼうと考えました。

最終的に、「校長先生や先生たちとの出会い」「現地の雰囲気」「治安」「英語環境」——すべてを総合的に見て、見学を受け入れてくれた学校に決めました。

まとめ:学校選びに「正解」なんてあるの?

学力、治安、家賃、学区、見学の印象…。

オーストラリアでの学校選びは、想像以上にいろんな要素が絡みます。

だけど最終的に決めるときに必要だったのは、

「正解を探すこと」より「納得できるかどうか」でした。

このプロセスが、これから親子で海外移住を考える人たちにとって、

少しでもヒントになったら嬉しいです。

もっと具体的に聞きたいことがあれば、

noteで相談も受け付けてます📝(匿名OK・お気軽にどうぞ)

Ella|note
海外歴8年|日本語×英語で揺れる親子の記録|教育移住・言語教育・母の葛藤|noteは“感情”を、ブログは“実用”を発信中▶︎

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