小学生中学年〜高学年の海外赴任、英語準備は何から始める?現地校やインターで苦労しないコツ

教育制度&学校生活
  1. コロナ後、急増した日本人のインター入学
    1. 赴任直後、いきなり“英語の壁”にぶつかる
    2. 英語力の“格差”は、最初からある
    3. 「とりあえず通わせてみよう」では難しい小学校中高学年
  2. 小学校のインター編入は意外と大変
    1. 幼稚園と小学校、ステージがまったく違う
    2. 英語ができないと、授業が進まない
    3. 「とにかく通えば慣れる」では通用しない
    4. でも、心配しすぎなくて大丈夫です
  3. 「子どもは現地に入れば英語はすぐ話せるようになる」は幻想?
    1. 英語習得は、“環境にいれば自然に”とは限らない
    2. ネイティブとの差は、“文法と語彙”に出る
    3. だからこそ、地道なインプットとアウトプットが必要です
  4. 英語力は3年でやっと土台ができる
    1. 最初の1年:とにかく聞いてるだけで精一杯
    2. 2年目:やっと“使える単語”が増え始める
    3. 3年目:“学べる英語”にたどり着き始める
    4. 英語習得は“マラソン”です
  5. 海外赴任が決まったら始めたい英語対策
    1. 「とにかく毎日、英語に触れる」それだけでも大きな差
    2. 「会話だけ」では足りない理由
    3. 英語対策におすすめの教材と進め方
    4. 赴任前・直後に“準備した家庭”がその後ラクになる
  6. 小学生の英語学習は「話す力だけでは足りない」
    1. 話せるけど、読めない・書けない
    2. 文法なしでは、伸び悩む
    3. 「バランス型」英語力を育てるには
    4. 最後に
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コロナ後、急増した日本人のインター入学

コロナ禍で一時ストップしていた海外赴任も、2023年頃から再び動き始めました。

その影響で、インターナショナルスクール(インター)への日本人児童の入学が急増しています。

とくに都市部では、英語にまだ慣れていない子どもがいきなりインターに通い始めるケースも増えており、「うちは大丈夫かな…」と感じている家庭も多いのではないでしょうか。

赴任直後、いきなり“英語の壁”にぶつかる

幼稚園くらいまでなら、英語が話せなくても子ども同士は身ぶりや笑顔でなんとなく通じ合います。

でも、小学校に入ると状況は変わります。

授業はすべて英語、クラスメイト同士の会話ももちろん英語。

言葉が分からない=授業についていけない、友達の輪にも入りにくい

そんな日々が突然始まります。

英語力の“格差”は、最初からある

同じように見えるインターのクラスでも、

✔ 英語がネイティブ並みの子

✔ 英語の環境が初めての子

✔ 英語はそこそこだけど授業のスピードについていくのがやっとの子

…と、子どもたちの英語力はバラバラです。

その差が“英語の格差”としてすぐに表面化してしまうのが、インターのリアルです。

「とりあえず通わせてみよう」では難しい小学校中高学年

幼稚園までは「現地で慣れれば自然に英語が身につく」と考える家庭も多かったかもしれません。

でも小学生以降は、赴任前から“ある程度の準備”をしておかないと、子どもがしんどい思いをする可能性が高いです。

もちろん、「まずはのびのび遊ばせたい」という方針も一つの考え方です。

ただ、「中高学年以降での転入」は特に負荷が大きくなるため、英語準備は“できるだけ早く、無理なく日常に組み込む”ことがカギです。

小学校のインター編入は意外と大変

「インターって自由でのびのびしてるんでしょ?」

「子どもはすぐ慣れるって聞いたし、大丈夫だよね?」

そんな風に思っていた方が、実際に入学してから「あれ、思ってたより大変かも…」と感じるケースは少なくありません。

特に“小学校”からのインター入学には、思わぬ壁があるのです。

幼稚園と小学校、ステージがまったく違う

インターの幼稚園(キンダー)では、遊びや歌を中心に英語に触れていくスタイルが多く、英語力がなくても子ども同士で自然にコミュニケーションを取っていく姿が見られます。

「とりあえず通わせてみよう」が通じやすいのは、この段階まで。

小学校低学年だったら、まだなんとかなるかもしれません。

でも、小学校中学年に入ると一気に学びのモードが変わります。

英語で“学ぶ”ステージに突入するからです。

英語ができないと、授業が進まない

算数も理科も社会も、すべて英語。

先生の説明も、教科書も、クラスでの話し合いも、全部英語です。

その中で、英語が聞き取れない・読めない・書けないとなると、

「何をすればいいのか分からない」時間がどんどん増えてしまいます。

特に授業では、「意見を出す」「グループでディスカッションする」など、自分の考えをシェアするスキルが求められるため、

“英語が読める=授業についていける”とは限らないというのが現実です。

「とにかく通えば慣れる」では通用しない

もちろん、日々の積み重ねで英語力は少しずつついていきます。

でも、それが軌道に乗るまでに時間がかかる子もいます。

「なんとなく通わせれば自然に伸びる」時期ではなくなっているのです。

学校生活を楽しむためには、ある程度の語彙力・聞き取る力・読み書きの土台が必要です。

小学生の中学年以降になると、周りの子たちとの“差”が顕著に感じられるようになります。

でも、心配しすぎなくて大丈夫です

とはいえ、必要以上に不安になる必要はありません。

「英語の土台をどうやって作るか」「子どもが自信を持って通えるようにどうサポートするか」を知っておくだけでも、見える景色が全然違ってきます。

次章では、「英語が“すぐに話せる”と思われがちだけど、実はそうじゃない」というリアルをお伝えします。

「子どもは現地に入れば英語はすぐ話せるようになる」は幻想?

海外赴任が決まったとき、よく耳にするのが

「子どもは吸収が早いから、すぐ英語も話せるようになるよ〜!」という言葉。

たしかに、発音の良さ耳の順応力は、大人よりも子どもの方がずっと優れているかもしれません。

でも——それだけで安心してしまうと、あとでギャップに驚くことになります。

英語習得は、“環境にいれば自然に”とは限らない

子どもが現地校やインター校に通っていても、

「英語を聞いてるだけで話せるようになる」なんてことは、基本的に起こりません。

毎日学校で英語に触れていても、

家で日本語を使っていれば、思考の土台はやっぱり日本語です。

つまり、「英語を使って考える」「英語で説明する」といった力は、

意識的に練習しないと身につきません。

ネイティブとの差は、“文法と語彙”に出る

たとえば会話の中で、相手の言っていることはなんとなく分かる。

でも、自分が何か伝えようとすると「単語が出てこない」「文章が組み立てられない」。

この“もどかしさ”に、子ども自身がぶつかるようになります。

そしてクラスメイトたちは、普通に教科書を読んで、意見を述べて、エッセイを書いている。

この差を、はっきりと“目の前の現実”として見るようになるのです。

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だからこそ、地道なインプットとアウトプットが必要です

英語を“話せるようになる”には、

「毎日の積み重ね」と「少しずつ自信をつけていくプロセス」が欠かせません。

ただ環境に入るだけではなく、

「何をどうやって学ぶか」の設計が、これからの英語習得に大きな影響を与えます。

次章では、そんな英語習得プロセスを、もう少し詳しくご紹介いたします。

英語力は3年でやっと土台ができる

「子どもはすぐ英語を話せるようになる」と言われることもありますが、

“話せる”と“学べる”は、まったく別のフェーズです。

実際に、わが家の長女がインターに入って(当時4歳)から、

英語での“会話”に困らなくなったと感じるまでに、1年はかかりました。

でも、それはあくまで“日常会話レベル”の話。

そして長女は幼稚園生だったので授業にも1年後には問題なくついていけるようになっていました。

ただ、これが小学校高学年とかになってくると1年経っても授業内容を細かいところまで理解できるようになるかどうか。

最初の1年:とにかく聞いてるだけで精一杯

入学当初は、毎日クタクタになるはずです。

学校ではすべて英語。先生の話すスピードも早く、教科書の語彙も難しい。

困るのが「聞いたことはあるけど、意味が取れない」単語の多さ。

聞こえてはくる。でも、意味が分からないから結局なんの話なのかも分からない。

この時期は、“なんとなくの雰囲気”で過ごす時間がとても長く、

本人も「何が分からないかも分からない」状態になるかもしれません。

2年目:やっと“使える単語”が増え始める

2年目に入ると、少しずつ学校のルールや先生の言い回しに慣れ、

授業中に自分の考えも少しなら言えるようになっていくはずです。

でも、語彙の幅はまだまだ狭い

英語の作文になると「書きたいことはあるのに、書けない」という壁にぶつかるかもしれません。

語彙量が少ないと、文章の表現に幅を出すことができません。

文法構造の種類をいろいろ持っていなければ、説得力のある文章は書けません。

3年目:“学べる英語”にたどり着き始める

3年目に入ると、読解・ライティングの力がぐんと伸びていくと思います。

英語の授業でも、「聞く→理解する→自分の考えを伝える」までが、

ある程度スムーズにできるように。

語彙・文法・表現の引き出しが揃ってきて、やっと“英語で学ぶ土台”が整うというかんじでしょうか。

英語習得は“マラソン”です

もし「半年で話せるようになった!」という話があれば、

それはほんの一部の“超言語センス型”か、もしくは“日常会話に限った話”。

「学校の学習についていく」「深い内容を理解する」「自分の意見を英語で表現する」

こういった力は、どうしても年単位の積み重ねが必要になります。

それでも、焦らず、腐らず、コツコツやってきたら、

子どもはちゃんとその壁を乗り越えていきます。

長女は小5でインターから英語圏現地校へ転校して、1年で飛躍的に伸びましたが今でも毎日家でも英語を勉強しています。

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そして、やっとネイティブたちに追いついてきたところですが、スピーキングではまだ追いついていないと本人は言っています。

それくらい、簡単ではないんだと思います。

海外赴任が決まったら始めたい英語対策

“現地でなんとかなる”は、親の幻想かもしれません

海外赴任が決まると、どうしてもビザや荷造り、住まいや学校探しなどで頭がいっぱいになります。

でも、子どもが現地の学校でいち早く馴染むためには、英語の準備は“赴任前・直後”が勝負どころです。

「とにかく毎日、英語に触れる」それだけでも大きな差

完璧な英語で話せる必要はまったくありません。

でも、「自分の思っていることを、英語で言ってみようとするクセ」があるかないかで、

最初の3ヶ月の吸収スピードは大きく変わります。

家では、「今日あったことを1文だけ英語で話す」「買い物のときに1フレーズ覚える」など、

“毎日少しずつ話す”ことの習慣化がとても効果的です。

「会話だけ」では足りない理由

たとえ会話がポンポンできるようになっても、

学校の授業では「聞く・話す」だけでなく、「読む・書く」力も同時に必要です。

特に、英語の文法(grammar)は、読解・作文・発表の土台になる重要スキル。

話すことに慣れてきたら、徐々に文法にも取り組むのがおすすめです。

また、最近ではゲームをしながら英語を話すというオンライン英会話があるのですが、これが突然お父さんの海外赴任に帯同することになる子どもに効果絶大です👇️

英語対策におすすめの教材と進め方

【小学生の会話力UPに】

  • アプリ「【Lingokids】」「【Duolingo Kids】」は、ゲーム感覚で英語が身につきます。
  • 絵本を使った音読練習は、“英語のリズム”と“発音”の練習にも◎。

【文法対策に】

  • 日本語解説付きの文法ドリルを使うと安心です。
  • 1日1ページでOK。親が“先生”にならず、「一緒に学ぶ」スタンスで進めるのがコツです。

これは分かりやすくてオススメです👇️

中1英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (中学ひとつひとつわかりやすく)

【補足】

  • YouTubeやNetflixの英語音声+英語字幕を活用するのもおすすめ。
  • ただし“聞き流し”にならないように、一緒に意味を確認したりセリフを真似したりが効果的です。

赴任前・直後に“準備した家庭”がその後ラクになる

実際に現地の学校が始まると、英語の授業だけでなく、

現地の教科(算数・理科・社会)も英語で受けることになります。

そのときに、「英語がまだ聞き取れない」「書くことができない」となると、

内容の理解以前に、言葉の壁で立ち止まってしまうことも多いのです。

だからこそ、少しでも早く“英語に慣れておく”ことが、本人にとっての助けになると、実感しています。

小学生の英語学習は「話す力だけでは足りない」

“英語を話せる”と“授業についていける”は別の話なんですよね。

「うちの子、けっこう英語話せるようになったかも!」

そう感じたときほど、実は“次の壁”がやってきます。

それが、「読み書き」と「文法」の壁です。

話せるけど、読めない・書けない

英会話に少しずつ慣れてきた子どもでも、

学校の授業になると急に沈黙してしまうケースが少なくありません。

理由はシンプルで、

授業のインプットもアウトプットも、「読み書き」が基本になるからです。

たとえば:

  • 課題は「レポート提出」= 書けないと点数が取れない
  • 理科のテストは「選択肢&記述式」= 単語の読み書き力が必要
  • 算数も「文章題」になると読解力で差が出る

つまり、「英語で話す」だけでは学校生活が乗り切れないのが現実なんです。

文法なしでは、伸び悩む

最初は耳で覚えたフレーズで会話ができていたとしても、

一定ラインを超えると、“なんとなく感覚”では通用しなくなる時期がきます。

このとき必要になるのが、文法(grammar)の力

英語の文法を理解していないと、こうなります:

  • 長い文章が作れない
  • 書いていても「語順」や「時制」がぐちゃぐちゃ
  • 読んでも意味が取れず、内容がわからない

一方、文法が入っている子は、話すときも「正確な表現」ができるようになるんです。

「バランス型」英語力を育てるには

子どもが「英語ができる」と感じ始めたら、

“話す”だけではなく、“読む・書く・文法”にも少しずつシフトしていくのが理想です。

オンライン英会話でも、じっくりと読み書きも見てもらえるレッスンを用意しているところに加入し、会話はもちろん読み書きもアドバイスしてもらうといいかもしれません。

今はいろんなオンライン英会話レッスンがありますが、無料体験レッスンができるところがほとんどです。

まずは体験してみる!それがとても大切なんです。
なぜかというと、たくさん無料体験してみることで親も子も自分の好みのレッスン体系を知ることができるんですね。

オンラインレッスンと並行して家庭では、

  • 英語の絵本やチャプターブックを読む習慣(毎日5分でもいい!)
  • 1日1文でも英語で日記を書く
  • 週1〜2回、文法ワークをやる(少量でOK)

ポイントは、完璧を目指さず、生活の一部として取り入れること

「今日は“because”を使って1文書いてみよう」くらいの軽さで十分です。

それでも毎日1文書いたら、年間で365文書くことになります。

私は長年娘たちの英語と日本語を家でフォローしてきましたが、小さな積み重ねの力は大きいと痛感しています。

最後に

「英語が話せる=安心」という感覚は、親にとっては少し希望にもなります。

でも実際には、読み書きの力こそが“授業で学ぶ力”につながる部分なんですよね。

焦らず、でも見落とさずに、

「話す・読む・書く・文法」すべてが伸びていく設計を意識していけたらいいなと感じています。

そして、とても大変ですが毎日コツコツと続けていけば必ず力はついていきます。

なのでぜひ頑張ってほしいなと思っています。

私はもう海外育児をしてきて8年になりますが、今、娘たちが日本で日本語環境で育ってきていて急に海外に住むことになったら、やっぱりインターに入れると思います。

すごく大変だと思います。

親も子も毎日毎日泣きたくなるような日かもしれない。

それでもやっぱり、インターで学べることって英語のその先に、大きな価値があると思います。

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大変だけど、挑戦すること自体がきっといい経験になるはずです。

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