今、わが家の子どもたちはオーストラリアで現地校に通っています。
ただ、この生活もあと2年ほどで一区切りを迎える予定です。
ビザの期限が切れるタイミングで、夫がいる国へ一度戻ることになっています。
その先の進路について、ここ最近ずっと考えてきました。
一度、日本人学校に通わせる。
そしてその後、長女は現地にあるフレンチスクールへの進学を選ぶかもしれない。
今はそんな未来を、家族で話し合いながら模索しています。
今回の記事では、「なぜ今、フレンチスクールという選択肢を考えているのか」。
そして、その背景にある“教育の軸”について、
自分なりに整理してみようと思います。
今の状況:オーストラリア生活と、残された時間のこと
オーストラリアでの生活にも、子どもたちはすっかり慣れてきました。
現地校での英語授業、プレゼン、日々のライティング課題も、
大きく詰まることなく進められるようになってきたと思います。
先生からのフィードバックでも「語彙が増えてきている」
「考えを整理して書けるようになっている」と言っていただける場面もあり、
英語力が“日常を超えて、学習の武器になってきた”ことを実感しています。
ただ、それと同時に、期限付きの生活でもあります。
現在のビザは、あと約2年。
その後は、夫が現在暮らしている国へ戻る予定です。
シンプルに夫もいる家族4人の形が私達には自然だと、改めて思ったのも大きいです。
先日のスクホリ、オーストラリアに来る前の家へ帰っていました。
久しぶりにみんなで暮らしていた家に帰って、なんと居心地の良いことか!
自分でも驚くほど心地よかったです。それはきっと、オーストラリアで夫なしに生活することにずっと緊張しているということなのかもしれません。
自分の器の小ささを思い知ると共に、家族が揃うっていいなと心底思ったのが素直な気持ちでした。
そしてそれは、子供たちも夫も同じだったかもしれません。
まだ小学生ですからね、パパと一緒にいるほうが楽しいですよね。
オーストラリア生活1年経過時点での英語力は?
さて、そうは言っても目的は英語をしっかりと伸ばすために来たのですから、そこは手応えがほしいところです。
で、この点も、うちの場合は下地がある状態で来ている(インター歴5〜7年)ので、現時点でもしっかりと手応えがあります。
やはり、現地校に転校したことは英語のことを考えると大正解だったと思います。
もちろん、上を目指せばいくらでも上があるので表現が難しいところではあります。
オーストラリアを離れても勉強を続けていき、英語を使う機会を失うことなくやっていけば第一言語として通用するレベルにはいられるんじゃないかとも思っています。
「この先、高校はどうする?」と向き合ったときの選択肢
このオーストラリアでの生活にも終わりが見えてきた今、
わが家は次の一手としてどんな選択ができるのか、
改めて家族で話し合いを重ねています。
まず現実的な選択肢として浮かんできたのは、
夫が暮らしている国に戻り、一度、日本人学校に通わせるという案でした。
今までの海外生活で、日本語環境からはある程度距離があったこともあり、
「一度しっかり日本語での学びに戻る時間をつくる」ことは、
子どもたちのバランスを整えるうえでも意味があるのではと感じました。
特に長女は年齢的に、「アイデンティティの軸」が芽生え始めている時期。
日本語でしっかり思考できること、
“自分の母語を使って深く学ぶ”経験を積ませたいという気持ちはずっとありました。
今までずっと英語教育なのに日本人学校?負担では?
そんなにあちこち振り回して子どもがかわいそうと思われそうですが、娘たちはこの案に乗り気です。
というのも、我が家はずっと家庭で日本語学習をしてきたので、もちろん苦労するとは思いますが全くついていけないということはないと思います。
オーストラリアに来たときのように、最初は苦労しても、頑張っていれば自分たちの言語は伸びて追いつけるということを既に知っていることが強みでもあるかもしれません。
私達が検討している日本人学校は、中学までなので、長女は1年間しか通うチャンスがありません。
いきなり中2の授業をフル日本語でやるのはかなり大変だとは思いますが、そこは私も気合を入れてサポートする覚悟です。
次女に関しては、小5の途中からになるので、一旦目安は小学校卒業までと思っています。
そこからは、インターに移るか、次女もフレンチスクールを検討するか考え中です。
高校で、フレンチスクールという道
「次は、フレンチスクールへの進学もありなのでは?」という視点も
このタイミングで自然と浮かび上がってきました。
それは、英語と日本語以外にもチャレンジしてもいいのでは?という気づきからです。
日本でも以前は中学から英語を学んでいましたよね。
長女は中学から学校でフランス語の授業があります。
これはたまたま長女が進学予定の学校がフランス語に力を入れているらしく、希望者はフランス語特進クラスでより強化してくれるとのことでした。
これに長女がとても興味を持ったのがきっかけです。
英語は、このまま学び続ければ“使える力”として定着していくと思います。
日本語は、これから改めて親子で意識的に取り戻していくつもりです。
そのうえで、さらにもう一つ、新しい言語と思考体系に触れる場があってもいいのではと感じたのです。
長女は、大学は海外の大学へ進学したいと言っていますが、それも何を学びたいということより「英語圏以外の国にも住んでみたいしその国の言葉を学んでみたい」という興味だと思います。
長女は言語習得が好きなんだと思います。
それは英語と日本語を使えることによって、全く別の国の人と同じ様に深い関係を築ける経験があったからだとも思っています。
なぜ今、教育の“軸”を問い直したのか
「ずっと英語が武器になるように」と思って進んできたこの数年。
でも、どの言語で学ぶかよりも、“どう思考を育てるか”が大事では?
そんな問いに、少しずつ自分の中でシフトが起きてきました。
・知識を詰め込む教育ではなく、自分の言葉で語る力
・言語の背後にある価値観や文化の違いを理解する力
・どの国でも“自分の考え”を表現できる土台
そういったものを子どもたちに残せたらと思い始めたとき、
フレンチスクールのカリキュラムや哲学的な学びのアプローチが、
自分の中で強く引っかかってきたというのもあります。
もちろん、まだ決断はしていません。
けれど、“今の延長線上”だけでは見えない選択肢を
いまのうちから真剣に考えておくことは、
きっとこの先の家族の在り方にもつながっていく気がしています。
フレンチスクールという選択の意味
もし、長女が高校からフレンチスクールに進学することになれば、
わが家にとってはこれまでとまったく違う教育環境に踏み出すことになります。
英語と日本語を軸にしてきたこれまでの学びに、
“第三の言語”としてのフランス語が加わること。
「第三言語」環境に身を置くということ
日常的に2言語を使いながら生活してきた子どもたちにとって、
もう一つ新しい言語が加わるというのは、
脳や思考にとっても刺激の大きい経験になるはずだと感じています。
言葉が増えると、単語が増えるのではなく、
“視点”や“感覚”が増えていく。
ある出来事を日本語で説明するのと、英語で表現するのとでは、
自然と使う言葉も、視点も、受け取り方も変わります。
そこにフランス語というもう一つのレイヤーが加わることで、
きっと、今まで見えなかったものが見えてくる。
そういう成長の仕方もあるのではないかと考えています。
フランス式教育の独自性に惹かれて
フレンチスクールを調べていくなかで印象的だったのは、
“哲学的に考える力”が大切にされていることでした。
ただ知識を覚えるだけでなく、
「なぜそう思ったのか」「別の立場から見るとどうか」
といった視点を持って、自分の考えを組み立てていく力。
しかもそれを、子どもたち自身の言葉で語る訓練が、
学年が上がるごとに自然と積み重ねられていく。
こうした教育のアプローチは、英語圏の現地校とはまた少し違う印象を受けました。
どちらが良い悪いではなく、
思考の“型”が変わるという経験を学生のうちにしてみるという点に価値があると感じています。
言語教育ではなく、“思考の型”を増やす挑戦
たとえば、「正解を出す力」ではなく、「問い続ける力」をどう育てていくか。
フレンチスクールは、まさにそこに力を入れている印象があります。
ある考えを言葉にするまでに、
・なぜそう思ったのか
・その根拠はあるか
・反対の立場ならどう考えるか
といったことを、日常的に問われていく。
それは単なる言語スキルではなく、
“考え方の訓練”としての教育だと感じています。
とか、いろいろ書きましたが、要するに興味深いと感じているということです。
5. 最後に:正解は分からないけれど、納得して選びたい
子どもたちの進路について、何が正解かは、正直まだわかりません。
どんな道を選んでも、「あっちのほうがよかったかもしれない」と
思う瞬間はきっとこの先にも出てくると思います。
でも、それでもいいのだと思っています。
大事なのは、誰かが決めた“正解”をなぞることではなく、
自分たちの暮らし方や子どもの個性に合わせて、
「今、自分たちにとって何が大切か」を問い続けること。
その時々の選択が、たとえ完璧じゃなくても、
「納得して選べたかどうか」は、
その後の歩き方を大きく変えてくれると感じています。
まずは、中学から始まるフランス語の授業への長女の取り組み方を観察していこうと思います。
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