海外育児、どこに住む?我が家の“選択肢”全公開|ビザ期限と教育のはざまで

海外育児

はじめに:今の私たちの状況

現在、私たちはオーストラリアで暮らしています。長女はYear 6(小学6年生相当)、次女はYear 3(小学3年生相当)。
3学年差の姉妹で、4歳と0歳のときに海外生活が始まり、それ以来ずっと海外で暮らしてきました。

これまで日本に住んだことはほとんどなく、インターナショナルスクールに通ってきた子どもたち。
長女は4歳、次女は2歳のときにインターに入学し、日本語の塾や補習校にも通ったことはありません。

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今の日本語レベルは?

私は、「日本人である以上、日本語も大切にしたい」という想いが強く、家庭学習だけはずっと継続してきました。
でも実際、日本の同学年の子どもたちと比べると、やはり日本語力はビハインドしています。

会話は問題なくできますが、国語の教科書を読む、文章を深く読み解くといった力になると、やや苦戦することも。
知らない言葉や人名の読み方がわからないという場面も多く、日常の中で自然と身についていくような“生活語彙”が欠けている実感があります。

現在、夫はアジアの別の国に駐在中。
私たちが以前住んでいた場所でもあり、今後も夫の仕事はそちらで続く予定です。

学生ビザとガーディアンビザでオーストラリアに

一方、私と子どもたちは「英語力をさらに伸ばしたい」と思い、英語圏での学びを求めてオーストラリアに来ました。
子どもたちは学生ビザ、私はガーディアンビザでの滞在です。

オーストラリアでは、小学生の学生ビザは原則3年(私がビザを取得した2024年3月頃の情報です)。
長女はYear 5の途中から渡航しており、中学卒業までは4年半のビザが出ています。

一方で次女はYear 2の途中から来ており、Year 5の真ん中までの3年ビザ。
もし次女も小学校卒業までこちらで過ごす場合は、ビザの延長手続きが必要になります。

小学生は3年が原則だそうですが、PrimaryとSecondaryをまたぐ場合はSecondary卒業までビザが出るということなのかもしれません。

ガーディアンビザは子どもの学生ビザに連動!
子どもが一人でも更新する場合は親子セットでの手続きが必須。

私は長女と同じ期間ビザが出ていますが、次女が更新するときには私も再度更新しなければなりません。
つまり、費用は単純に2倍。
これは現実的に考えないといけない、大きなポイントになってきます。

言語のこと:英語と日本語、どう育てる?

我が家にとって、言語教育はずっと大きなテーマでした。

子どもたちがまだ小さかった頃、夫は駐在員として海外にいて、私たちは「いつ日本に帰ることになってもいいように」と、日本語の家庭学習をずっと続けてきました。

最初からインターに通っていたからこそ、いざ日本に戻ったときに「日本語がまったく通じない…」という事態は避けたかったです。

だから補習校などには通っていないけれど、毎日少しずつ日本語の読み書きを家で取り入れてきたんです。

ただ、正直言って、年齢相応の日本語力には追いついていないと思います。
もちろん会話は問題ないし、祖父母や日本の親戚とも日本語でしっかり意思疎通ができています。

でも、日本に住んでいる同世代のいとこたちの語彙力や話し方を聞いていると、「ああ、やっぱり違うな…」と感じることは多いです。
文章のなめらかさや言葉の選び方に、差があるのは否めません。

今、長女は少なくとも中学の途中まではオーストラリアで過ごす予定です。

将来的には、大学は2人とも海外になるかもしれないと考えています。

インター、現地校ときた娘たちが日本の学校を視野に入れる時

長女にとって「日本の学校に通う」という選択肢は、高校3年間がラストチャンス。

そのため、今ちょうど日本の高校について調べ始めたところです。

これまで日本の教育システムにほとんど触れてこなかったから、オンライン説明会に参加したり、YouTubeで情報収集したりして、“帰国生枠”の進学ルートを学び直している段階です。

学費の関係もあってインターは選択肢から外し、私立か公立の高校の中で、帰国生を受け入れてくれている学校を中心に見ています。

IB(国際バカロレア)など、英語で授業が行われるような学校も候補にあります。
やはり学校の授業はすべて英語で受けてきている娘たち、特に高校の勉強となると全て日本語でついていけるのか不安もあります。

たとえ学校の授業が英語でも、日本に住めば“生活言語”は完全に日本語になる

それは、言語を育てる上でとても大きな意味を持つと思っています。

だからこそ、授業が英語ベースか日本語ベースかにはあまりこだわっていません。

それよりも、その学校がどんな教育スタイルなのか、どんな学びを提供してくれるのか、大学進学へのサポートがどうなっているのか――そういう部分を重視しています。

また、海外大進学の場合も「内申(成績評価)」が影響するので、それが極端に取りづらい仕組みの学校だと、やっぱり現実的ではないな…と感じています。

次女に関しては、もう少し選択肢が広がるかもしれません。

高校から再び海外へ出ることも視野に入れられる。
ただ、次女はまだまだ吸収が早い反面、忘れるのも早い時期

英語をキープしつつ、日本語もしっかり育てていくには、かなり繊細なバランスが必要だと感じています。

現実問題:ビザの期限が見えてきた

Ella
Ella

今、我が家にとって最もリアルな問題は「ビザの期限」です。

現在の状況では、長女は中学卒業までオーストラリアに滞在できるビザが出ていますが、次女は小学校5年生の途中まで。
つまり、それ以降もここで暮らし続けるには、ビザを延長する必要があります。

そして、その延長にかかる費用が…高い。

私たちが以前ビザを申請したときは、1人あたり700ドルでした。
でも、今年の7月からはそれが約2,000ドルになると言われています。さらに申請準備費、1人300ドル程度。

しかも、ビザがとれる保証はありません。
オーストラリアの学生ビザは今、取りにくくなっていっています。

英語圏の英語力を改めて考える

それでもなお、「オーストラリアに留まる価値があるのか?」という問いに向き合わざるを得ません。

英語の面においては、私は「ある」と思っています。
というのも、子どもたちはこれまでずっとインター校で学んできて、現地校に通い始めて1年経っても、本人たちが「100%キャッチアップできていない」と自覚しているからです。

たとえば長女は、「小さな声や早口の英語だと聞き取れないことがある」と言っていました。

クラスメイトはそれでも普通に反応しているから、自分との“英語の肌感覚の差”を感じるそうです。
また、先生や友達の話の中で「聞いたことはあるけど意味が分からない単語」に出くわすこともあると。

でも一方で、ライティングやスペリングの面では、クラスメイトより自分の方が得意だと感じているとも話していました。
文章の構成や意見の組み立て方は、評価されることもあるようです。

もちろん、あくまでも人気校でもなんでもない平凡な長女の公立小学校のクラス内での話に過ぎませんが。

つまり「ネイティブだから全部が上」というわけではなく、得意・不得意がそれぞれあることに気づき始めているのです。

そんな中、長女が最近こぼしたひと言が印象的でした。


「英語はもっと頑張らないといけない。でも、私はやっぱり日本人だから、日本語も大事にしたい。」

この言葉には、彼女なりの「アイデンティティの揺らぎ」と「言語との向き合い方」が詰まっている気がしました。

だからこそ、「どこまでオーストラリアに時間とお金を使うか?」という判断は、簡単にはできないと思っています。

親として、「英語力の習得」と「将来の選択肢の広がり」という視点から見ても、価値があるとは思う。
でも、家計的には当然慎重に考えなければいけないですよね。

この“天秤”を、今まさに見つめているところです。

考えられる今後の進路は3つの選択肢

じゃあ、これから私たちがどうするか?
いま現実的に考えている“3つの選択肢”を、正直に全部さらけ出します。

このままオーストラリアに残る(ビザ延長)

一番シンプルな選択肢は、「今の延長線上」に乗ること。
つまり、長女が中学を卒業し、次女も小学校を卒業できるまでオーストラリアで暮らし続ける。

もちろん、これはお金もかかるし手続きも大変。
でも、英語力を本格的に定着させるにはこの環境が最適なのは間違いないですよね。

「英語の伸びしろ」を考えると、ここに残る価値はやっぱり大きい。

夫がいるアジアの駐在国へ戻る(インター or 日本人学校)

もうひとつの選択肢は、現在夫が働いているアジアの国に一旦戻ること。
その場合は2つの道がある。

🔸a. インターナショナルスクールに通う
ここでは「英語力の“維持”」が主な目的。
大きな伸びは正直あまり期待できないけれど、帰国生入試を視野に入れるなら、「英語を落とさないこと」は重要。

🔸b. 日本人学校に通う
実はコレ、意外と良いのではないかと思っています。
海外の日本人学校は先生の質が高く、学力レベルも高いと定評があります。
学費も会社が負担してくれるから、経済的にもありがたいです。

日本人学校を選択した場合は、その分かからずに済む学費で、家族で海外のサマースクールに行くという“ハイブリッド戦略”もできると思います。

たとえば、長期休みに自分で日本人があまり参加していなそうなサマースクールを探して、家族で現地に滞在するんです。

日本語で案内が出ているサマースクールは多くの場合、日本人の参加率が高いのでそういうところは最初から除外します。

娘たちは現地のローカルの子どもたちと交流し、英語環境も確保できる。
旅行としても学びとしても、濃い時間にできるかもしれません。
家族としての海外旅行の思い出も同時に作ることができます。

日常的な英語力の維持は、「スピーキング&ライティング」はネイティブの先生にオンラインでサポートしてもらい、「リスニング&リーディング」は家で自習。

ニュージーランドやカナダなど、まったく別の国に挑戦する

最後の選択肢は、いっそ「新しい国に行く」という冒険。
ニュージーランドやカナダなど、ビザが取りやすく、教育水準も高い国に家族で移る可能性もゼロではないと思っています。

ただしこれは、「日本に戻る」という選択肢を手放すということでもあります。

つまり、「今後、日本に住むつもりはもうないかもしれない」と思えたときに初めて浮上するプランです。

現状その可能性は低いと思っていますが、オーストラリアで生活していく中で、娘たちも私もどう気持ちが動いていくかは分かりません。

どれもメリットとリスクがあります。
どれを選んでも“100点”の道なんてない。
だからこそ、「何を大事にするか?」を家族でしっかり話し合っていく必要があると思っています。

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お子さんの学習状況と目標に合わせて、目標達成までを逆算したカリキュラムを個別に作成し、レッスンを行っております。また、使用するテキストもお子さんのタイプや学年に合わせて選んでおりますので、ひとりひとりに最適な英語学習を受けることができます。

結論:まだ決まってない。でも、”考えておく”ことが大事

正直なところ、今はまだ何も決まっていないんです。


でも、それでいいと思っているというか、仕方ないと思っています。

というのも――
帰国生入試のこと、進学ルートのことを調べ始めてから、知らなかったことが山ほど出てきて、驚くと同時に私自身、ものすごく学びになっています。

これは1日や2日で理解できるようなことじゃないと思いました。

実際、オーストラリアに来るまでだって何ヶ月もかけて準備してきた。
ビザ、学校、生活環境… そういったすべてを調べ、整えて、ようやく来られた。

だからこそ今回も、“焦らず、でも確実に”動いていくつもりです。

たとえば今後2年間で考えると、この1年で方向性を固め、次の1年で具体的な準備に入るのが理想。

「何を選ぶか」よりも先に、どんな選択肢があるのかを母である自分がまず知ること。

その中で、

「これは現実的か?」
「これは金銭的に可能か?」
「子どもたちに合うか?」


そうやって1つ1つ、現実と照らし合わせながら理解していく。

そして最終的にどこに住むのか、どんな教育環境を選ぶのかは、家族みんなで決めていく予定です。

子どもたちの意思もある。
夫の仕事のタイミングもある。

私は、”家族が選択可能な選択肢を明示する”のが母親としての私の役目だと思っています。

今後も、海外生活をしてきた日本人として、子供たちにどんな進路の可能性があるかをここでシェアしていこうと思っています。

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